日本があぶない!プティ フランスの乱

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[2015]プティ・シャブリ /シャトー・ド・シュミリー / ブルゴーニュ / フランス /750ml / 白

2015 PETIT CHABLIS / CHATEAU DE CHEMILLY シャブリといえば、ブルゴーニュ北部で造られる、 日本でも大人気の白ワイン。

多くのシャブリが輸入され、 もはや日本に輸入されていないシャブリは無いのでは? というくらい人気があります。

しかし、私たちは「幻」と呼ばれるシャブリを 奇跡的に買い付けることができました! 生産者の名前は、シャトー・ド・シュミリー。

え?聞いたことがないですって? それは、当然のことでしょう。

生産量がとても少ない生産者で、 もともと2,000ケース余りしか造っていなかったのです。

そのうえフランス国内でも、 ワインショップに並ぶことは無いため、 このシャブリを飲んだことのある方はもちろん、 見たことのある方もそれほど多くはないはずです。

  このシャブリとの出会いは、偶然でした。

フランスへワインの買い付けに行ったときに、目立つデザインのボトルを発見。

それが、シャトー・ド・シュミリーでした。

さっそく、期待を持って味わってみると、これが美味しい!シャブリに必要な要素を全て兼ね備えた、素晴らしい味わいであることがわかりました。

すぐさま生産者に連絡を取り、「ぜひ日本で販売したい」というお話をさせていただきました。

すると「品質を認めてくれるのは嬉しいが、すぐに取引することはできない」とのこと。

理由を聞いてみると、先に述べたように生産量が非常に少なく、取引先が既に決まっているから、新しい取引は始められないということなのです。

生産量の約90%はフランス国内のレストランや ガストロノミーだけで消費され、 小売市場には一切販売していないそうです。

というよりも、レストランで奪い合いとなっている、 まさに「幻」のシャブリなのです。

どうりで見たことがないわけですよね。

残りの10%は北欧の一部にだけ輸出しているとのこと。

これは本当に凄いことで、よほど味わいが良く、 プロに認められる品質でなければ、 生産量の全てをレストランに販売するということは不可能なこと。

そこで、日本のワイン愛好家は素晴らしいワインを求めていること、 シャトー・ド・シュミリーであれば、広く受け入れられることなどを話し、 時間をかけて説得しました。

その熱意が伝わり、北欧に輸出する数量の一部を、 特別に回してもらうことができました! 北欧の皆さん、ごめんなさい! そんなわけで、北欧以外では、世界初進出。

もちろん日本初上陸となります。

シャトー・ド・シュミリーは、1973年に創業した、 比較的歴史の若い生産者です。

創業者のジャン・ピエール・ヴィランは夫婦でブドウ造りを始めましたが、 当時は収穫量が少なすぎるためドメーヌで瓶詰めすることができず、 ネゴシアンにバルク売り(ワインごと樽で販売)していたそうです。

1997年から息子のロイック、続いて2004年からヤニックがワイナリーに参加し、 家族経営の小規模生産を続けています。

それでも少しずつ生産量を増やし、 2013年からやっと輸出ができるくらいの生産量になりました。

      ワイン造りで常に心がけているのは、シャブリらしいミネラル感、フルーティーさを持ったワインを造ること。

これに加えてエレガントな、アルコール感の強すぎない味わいを心がけています。

シャブリの土壌は1億5500万年〜1億5200万年前のキンメリジャンという土壌で、その時代、海の底だったことを示すかのように、牡蠣の化石などが含まれています。

そこから引き出されるミネラル感と、フレッシュで女性的なニュアンスを持った味わいがシャトー・ド・シュミリーの目指す味わいだと、現当主のロイック・ヴィランは言います。

規模が小さいがゆえに畑の隅々まで目を配ることができ、全ての畑が極めて健全な状態に保たれています。

畑の一部には、ブドウの木に集まった小鳥が巣 を作るほど。

これは、有害な物質がほとんど無いことを意味しています。

ブドウの樹齢は30年前後、土壌の養分を吸い上げるのに十分な樹齢です。

すでに高いクオリティのワインを造っていますが、これから樹齢が上がるにつれ、ますます楽しみになりますね。

  実はシャトー・ド・シュミリー、生産量が少ないながらも 2010年のギド・アシェット(フランスの著名な ワイン評価誌)で、素晴らしい評価を得ています。

シャブリ地区では3つの生産者が三ツ星(最高評価)を 獲得しているのですが、 そのうちの1つがシャトー・ド・シュミリーなのです。

フランス国内のレストランで奪い合いになっていることや、 実際に飲んでみて、そのクオリティの高さを感じてみると、 その評価も「当然のこと」と思えるかもしれません。

プティ・シャブリは、シャブリの格付では最も下に位置しますが、 シャトー・ド・シュミリーのプティ・シャブリは、ひと味違います。

シャトー・ド・シュミリーの畑は、シャブリの畑と畦道を 1本隔てているだけ。

ロイック・ヴィランは畦道の真ん中に立ち、 「右手がシャブリ、左手がプティ・シャブリ。

ご覧の通り、畑に大きな違いはない。

ただ、道がここにできてしまっただけなんだ。

ウチのプティ・シャブリは、シャブリに等しいと思ってもらって構わない。

」 と力説します。

確かにプティ・シャブリらしい軽い味わいではなく、 まさしくシャブリを飲んでいるような、しっかりとしたミネラル感の味わいです。

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